なぜ日本人は学ばなくなったのか

なぜ日本人は学ばなくなったのか (講談社現代新書 1943)

なぜ日本人は学ばなくなったのか (講談社現代新書 1943)

最近日本人は学ぼうとする意欲が失われてきており、「バカ」とでも表現するしかない事態が日本を侵食していると現代の日本人に警鐘を鳴らす本。ここでいう「バカ」の定義とは生まれつきの能力や知能指数ではなく、「学ぼうとせずにひたすら受身の快楽にふけるあり方」とのこと。
上記の表現に共感を覚えて期待を込めて読み始めたが…、期待はずれだった。本論は単なる若者批判に終わっている。問題提起は非常に良かったのに非常に残念な本だ。現代の若者は学ぶ意欲が薄れているという意見は納得だが、それは若者だけではなく中高年もそうだろう?それどころか今の日本で問題があるのは若者よりも中高年の方だろう?後先考えずに新卒の雇用を削減したりゆとり教育を推進したりバブルに乗せられて平成不況を引き起こしたり国債発行して日本の赤字を増やしたのはどの世代だ?そんな中高年の責任を微塵も書かずにこの本では昔は会社で朝から晩まで働くのが当たり前なのに今の若者は出来ないやら、昔の若者は朝まで飲み明かしていたが、今の若者は飲み会に付き合わないとか駄目とか検討違いな事を書いていて非常に納得がいかない。後この人書籍の後半で自分でも1980年代以降に「なんとなく、クリスタル」などが流行り当時の若者達が消費文化や恋愛に迎合したころから今の日本がおかしくなっていったと書いているではないか。その時の若者達は今何才だ?その日本をおかしくした若者達にあたるのがまさに今の中高年層ではないのか?

This book warns that recent Japanese people tend to avoid studying. I agree with this, but I don't agree with that it is caused by young people. I think that is is caused by middle or high aged Japanese people. I can't understand why the author doesn't refer to it.