文学部がなくなる日

文学部がなくなる日―誰も書かなかった大学の「いま」 (主婦の友新書)

文学部がなくなる日―誰も書かなかった大学の「いま」 (主婦の友新書)

現在の日本の私大の文系学部が抱える問題を客観的な視点から紹介している本。興味深い。日本は少子化になっているにも関わらず、大人の一方的な都合により、大学は増えていく一方だ、しかし学生が入らないと大学が潰れる。今は文学部は就職に厳しいことが学生も分かっているので文学部と付けると学生が入ってこない。だから人文、社会、心理と言った言葉やメディア、コミュニケーションといったカタカナ用語を並べた大学が増えているとのこと。その他、大学側が自分達の生き残りのために実施している活動について色々紹介していた。しかし実際大学がいくつか潰れているそうだ。名門の松阪大学まで潰れていたとは…。知らなかった。
あと、「トロウ・モデル」というモデルが教育業界では良く知られているそうだ。大学に進学する若者が増えると、世の中における大学の位置づけが、大学=エリートのもの(エリート段階)という位置づけから、大学=行って当たり前のもの(ユニバーサル段階)という位置づけに変遷するらしい。そうなるとランクが低い大学は卒業しても高卒と変わらないと取られてしまうため、名前が知られていない私大は学生を集めてランクを上げることに必死になっているらしい。

概要
アメリカの社会学者、マーチン・トロウの提唱した理論モデルのこと。
高等教育進学者数の増加という量的な変化が高等教育の質の変容をもたらすという論であり、質の変容は大学の管理・運営、財政、カリキュラム、授業編成、教員の採用ならびに養成、学生の選抜方針、研究活動への援助方法、学生―教師関係など、多岐に及ぶ。

各段階
 該当年齢人口に占める大学在学率が15%までの段階をエリート段階、15%以上〜50%までの段階をマス段階、50%以上をユニバーサル段階という。 

This books describes an issue in literature departments of Japanese colleges. The issue is, the number of colleges are increasing year by year but the number of children are decreasing. Therefore it is getting difficult for colleges to survive. Some of the colleges have already bankrupted. This books also shows the activities of Japanese collages.