バカの正体

バカの正体 (角川oneテーマ21)

バカの正体 (角川oneテーマ21)

バカについての本であるが、読んでみてすっきりしない点がいくつかあった。まずバカと思っていないのなら初めからバカと書くなと言いたくなる節が多々ある。例えば「神経が図太いバカ」という節。タイトルだけ見て作者は「神経が図太い=バカ」と主張しているのかと思いきや、読み始めてみると「神経が図太い=バカではない」という前提のもとに神経が図太くなる方法について説明されている、タイトルと違うやんけ!と読んでいてイライラする。それから根拠が明示されていない主張がいくつか見られる。○○はいけない、△△すべしというメッセージをいくら主張していても、何故そうなのか、それに従わなかったらどうなるのかという説明が入っていないと、それらのメッセージは単なる作者の主観に基づいた根拠の無い主張のように感じられてしまうのだ。
もちろん作者は根が悪い人ではないのは分かる。作者の軽いエッセイとして読むのであればいいかもしれない。団塊世代の江戸っ子の意見という面では価値があるのかもしれない。しかし老人が老人でいて楽しくなるように特権を老人に与えてはというような老人優遇の主張は今の中高年世代に良く見られる若者世代に対する「甘え」だと私は感じる。今の日本はこれまで積み上げられたきた中高年世代のツケを若者世代が払わなければいけない状況なのに更に老人に特権を与えろというのは不合理ではないのか?そのため私はあまりこの本に対してポジティブな印象を持つことは出来なかった。

This is a book about foolish people. However, there were several contradictions in the book. In addition to that, I couldn't find the reason of the author's opinions. I couldn't feel comfortable in reading the book.