Good Boss, Bad Boss: How to Be the Best... and Learn from the Worst

Good Boss, Bad Boss

Good Boss, Bad Boss

とても面白い本だった。これはスタンフォードの経営工学の教授が書かれた書籍で、健全な組織を運営するための一番の問題になるのは"Boss"だと断定した上で、良いボス、悪いボスの事例を具体例を挙げて説明している。この人は前著として、"The Asshole Rules"という本を書かれている。実は私はこれの日本語訳を既に読んだことがある([id:aaa555:20100201:p3])が、前の書籍より今回の書籍はより具体例が豊富でどのページも有用な情報に溢れている。近いうちにきっと日本語訳が登場するだろう。
個人的に一番面白かったのが、以下の文だ。この書籍は各セクションの最後に、「あなたが…のボスになりたいならこれをやれ!」という項目リストを並べるのだが、そのうちの一つで"CAN-DO BOSS"になりたいのならこれをやれということで以下が紹介されていた。

1. When your people suggest a promising idea, say (as often as possible): "Great! Do it!" 
This is inspired by a UPS commercial, where two slick consultants propose cost-cutting ideas to a receptive client. He replies: "Great! Do it!" The consultants look bewildered and respond , "Sir, we don't actually do what we propose. We just propose it." In contrast, the best bosses and followers do what they propose.

(訳: あなたの部下が良いアイディアを提案したら、(出来るだけ) "Great! Do it!"と言いなさい。これはUPS(運送会社)のCMに触発されたアイディアだ。
そのCMでは、二人のコンサルタントがコストカットのアイディアを提案する。そしてそれを聞いたクライアントが、コンサルタントに"Great! Do it!"と答える。するとコンサルタントが当惑して、「あ、あの、我々は提案したことはやりません…、我々はただ提案するだけです」と話す。
このコンサルタントとは違い、最良のボスとその部下達は、自分達が提案したことは自分達で実際に行動に移すのだ。)

上記に書かれたCMというのは以下のCMだ。"Great!"と"Do it!"の間の取り方が絶妙である。コンサルタント役の演技も凄く良い。

この書籍では、上記のように提案だけで実行しない人間を否定しているし、コンサルタントに外注することも否定し、"自分で判断しろ"とも別セクションで述べている。また打ち合わせばかりしている組織は、議論だけで全てが解決したと思い込んでしまい何も事態が進展しない、"Smart-Talk Trap"というものに引っかかるとも主張している。その他にも多くの有用な情報が書かれている良書であった。

I finished reading English book, "GOOD BOSS, BAD BOSS" which is written by Prof. Robert Sutton of MSE, Stanford. The book is so useful! It describes what is good or bad behavior for bosses based on the real cases in companies.