成功術 時間の戦略

成功術 時間の戦略 (文春新書 (443))

成功術 時間の戦略 (文春新書 (443))

読んでいて残念に感じた本。何が残念かというと、著者の主張は面白いのだが、その論拠が不足しているためにその主張が単なる著者の決め付けに読めてしまうのだ。例えば「人の頭は一日一時間しか動かない」と主張しているが、その根拠が無い。しかし私が昔読んだ他の書籍には人が連続して集中出来る時間は90分〜120分で、休憩を挟めばまた集中出来るというこれとは異なる主張があった。確かその主張は実験結果に基づくものであったはずだ。その一方、本書籍には何故集中出来るのが一日一時間であるかの論拠が無い。そのためこれが著者の主観に基づいた単なる決めつけだと感じられてしまう。
その他、「大学の講義はつまらない」「頭は100パーセント使うな」「20代には留学するな」をはじめとしたもろもろの主張も同様で、どれも論拠が薄弱で説得力に欠ける主張に感じられる。世界的な研究に必要な語学を身につける必要があるのであれば30代より頭がフレッシュな20代に留学をした方が良いし、初めから英語で専門を極めた方が効率的という意見の方が理に適うと思わないか?しかしこの本の主張はいろいろ面白いところを付いていると思うので、主張の論拠やその主張に該当する事例の記述をもっと増やしてあげれば良書になるのにと読んでいて感じた。

I felt the reason of each statement is missing in the book.