坊主失格

坊主失格

坊主失格

ニューヨークの紀伊国屋で購入した書籍。以前読んだ「貧乏入門」[id:aaa555:20100124:p4]の著者の小池龍之介氏のこれまでの人生を記述した書籍である。著者の愛情への飢え(これを"慢"という煩悩と呼ぶらしい)が、歪んだ形で他人にぶつけられ、それが恋人の自殺未遂や、離婚を招いてしまったということを反省を交えつつ客観的に記述している。自分を愛してくれている女性の精神をどう追い詰めたかについてはあまりに具体的に書いてあるので、[id:aaa555:20110801:p1]で触れた「The Waste Maker」を悪用した電通のように、読者の誰かがこの手法を悪用しないか心配になるほどである。
しかしこの人の仏教の解釈は同世代だけあってとても分かりやすい。仏教で言う「怒り」というものは今でいう怒りだけでなく、妬み、悲しみ、不安、緊張、後悔など、ネガティブな感情は全て「怒り」に該当するらしい。
それから以下のように「笑い」もこの作者は否定しているところが非常に興味深い。

暴力と笑いとはときとして共犯関係にあることもあるように思います。時代が笑いによる脳内麻薬を欲しているのは、ともすればイジメ問題と根底でつながっているのかもしれません。
「イヒヒヒヒ」のような、「ニコッ」「クスクスッ」の微笑みではない刺激としての笑いには、心に悪影響を及ぼしやすいいくつかの種類があります。(以下略)

確かに以前の岡村のバスケの時の笑いも「イヒヒヒ」的な笑いだったな。しかし笑いの悪影響について触れているこの節の発言には救われた気がする。アメリカ文化はジョークやユーモアが重要視されるが、無理して笑いを取ろうとする必要は全く無いのだ。日本でも時々(特に一般職の女性で)、「あー退屈、なんか面白いことない〜?」と職場でほざいている奴がいるが、ああいうふざけたノリには付いていく必要は無いのだな。

I read the book about an introduction of Buddhism. It was very informative for me because the author's example is familiar topic to our generation.