怒らないこと

怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉 (サンガ新書)

怒らないこと―役立つ初期仏教法話〈1〉 (サンガ新書)

こちらもニューヨークの紀伊国屋で購入して機内で読んだ書籍。怒るなというのは、結局「自制を失うような感情の衝動に駆られるな」ということなのだろう。この書籍を購入した動機は、怒るなということは元々仏教の基礎知識として知っていたが、どうしても怒られなければいけない状況、例えば他人が不正を働いているような状況ではどのように行動すれば良いのか知りたかったのだ。それについては後半に答えが書いてあり、「きつく教えてよい」とのこと。他人の不正行為に対して逃げる必要は無い、堂々たる精神は怒りとは無縁とのこと。
上記から考えると、仏教というものは他の宗教のように行動を制約するものではなく精神を制御するための方法論であり、「自分の精神を常に理性の制御化に保つための哲学」というのが本質なのではないのだろうか。だから、我を忘れるような感情的な衝動、怒りもそうだし、妬み、恨み、それから、下衆な笑い、そして恋愛の衝動も仏教では否定されるべき存在のように思う。だから仏教哲学的にみると男女の恋愛至上主義というのは否定されるべきものなのだろう。恋愛至上主義に刈られた人間は、恋愛の衝動が満たされると、もっと大きな恋愛の衝動を求め、結局不倫なり浮気に走る可能性が高い。
しかし男女が結婚しなかったら種族が絶えるではないかという意見もあるだろう。だから結婚はすべきものだと仮定してみよう。その仮定(人は恋愛感情で動くべきではないが、男女は結婚すべきという仮定)の下で男女はどう繋がるべきかと考えると、その人に恋愛感情を感じるか否かより、相手が理性的、道徳的な人間か、そして生活する能力があるかで選ぶべきなのだろう。

I read a book about "not getting angry". This book is also an introduction of Buddhism.