窓際OLシリーズ

サンフランシスコの図書館にて以下の本を見つけた。北杜夫の娘が書いたエッセイらしい。北杜夫は好きだがこの人の文章は私は好きではない。自分自身は大した努力もしていないくせに、たまたま恵まれた自分の環境をひけらかし、読者を無意識に見下している慢心が感じられるからだ。

窓際OLトホホな朝ウフフの夜 (新潮文庫)

窓際OLトホホな朝ウフフの夜 (新潮文庫)

そして呆れたのは自分の会社のネガティブな社内事情を安易に実名でリークしていることだ。その一つとして彼女が勤めているサントリーマッキンゼーにコンサルを頼んだ顛末が書かれていた。呆れたのは別として戦略コンサルの業務の具体的な顛末は参考になる。

そういえば、ウチの会社も十数年前、マッキンゼーコンサルタントを依頼したことがある。当時は住友銀行、TBSをはじめ、どこも経営戦略ブーム。
その頃、ウチの会社はマーケティング室や営業本部があって中央集権だった。しかし、企業として力を高めて成長するためには各部署が力をつけて自立自走になった方がいいと、全社的な視点からの問題解決を提案されたらしい。
...
「エーン。余計に仕事がやりにくくなったよう。」
みんなブーブー文句を言っていた。結果的には、数年後、事業部制はそのままだが、他は元通りになっていった。あんなに大金を払ってまで大騒ぎした組織改編は何だったのだろう?

他にもボスコンのプロジェクトの顛末もばらしている。

某一流企業の役員さんが、
「サイトウさんが書いた”大きな背広”ってウチの会社と全く同じですよ。:」
「エッ、大企業の御社が?経営コンサルタントが入ってもダメな会社ってウチだけじゃないんですか?」
「ウチもかつてボストンコンサルティングに三億円も払いましたからねぇ。どれも大失敗でしたよ。それでも会社は懲りない。この間もまた、”コーポレートブランドを統一したい”と言い出して商品ロゴを統一したんですが、そもそもお客様が選ぶものを会社が選んではいけないんです。やることがないと、ついブランドを統一したがるんです。”大きな背広”を用意したところで社長も社員も同じなら大して変わらないんですよ。ワッハッハッハッハッ」

まぁ結局戦略コンサルなんてこの程度のものだろう。それでも昔はごまかしが利いたかもしれないが、今はネットをはじめとした情報のオープン化で化けの皮がはがれてきているからな。今後戦略コンサルは生き残ることが難しくなる一方だろう。

The above book shows the summary of several consulting projects of Mckinsey and BCG. I don't like the author's character but it is informative.