グローバル・エリートの時代

グローバル・エリートの時代 個人が国家を超え、日本の未来をつくる

グローバル・エリートの時代 個人が国家を超え、日本の未来をつくる

ブログを良く拝見しているマッキンゼーのLirac氏の書籍ということで買って読んでみたが、ガッカリした…。この本の主張は日本企業をグローバルにする結論ありきでありあわせの話をつなぎ合わせただけの単なるポジショントークのように感じる。何故かというと、これまで日本はどういう形でグローバル化を実現してきたか、これからどうやってグローバル企業にするかという方法論ばかりに収支して、そもそも(外国人を経営陣に大量に入れるほどの)グローバル企業にすることが、"日本"企業にとってなぜ嬉しいのかという記述が欠けているからだ。(Lirac氏的な企業のグローバル化に納得しない人は多いだろう。もちろんそれで企業は生き残れるかもしれないけど、そうなるともはや"日本"企業ではない。それに、それって日本企業が、グローバルな外資に吸収されても同じような形になるんじゃないだろうか?だったら、わざわざ自分から外資に吸収された後の状態を作るより、このままグローバル化しない方針で頑張った方がいいんじゃないの?と反論する人もいるだろうし。)それから日本企業をグローバル企業にすることのデメリットとして誰もが思いつくであろう、会社の乗っ取り問題、つまり、全経営層やR&D、技術のトップが全部日本人じゃなくなって結局海外に企業をのっとられてしまうんじゃないかという懸念について全く触れられていないし、その懸念を打ち消すような記述も書かれていない。
後読んでいて腹が立ったのが、この人はコーディングは非生産的な誰でも出来る作業、と考えていることだ。とんでもない!そういう思想をしているやつがソフトウェア開発を主導したから日本メーカーは外注丸投げの骨抜き企業になってるんだろう!? GoogleFacebook, Appleと言った成功しているIT企業はコードを外注に丸投げせず、ちゃんと社内でコードを書いているだろう?Lirac氏は以下の記事を読んだ方が良い。

しかし、やはりコンサルの言うことは信用出来ないな。Lirac氏だけは例外だと思っていたのに、残念だ…。

I read a book about globalization of the company. But I don't like the opinion of the author.