貧乏入門


貧乏入門

貧乏入門

こちらも出張前に読んだ書籍である。本の作者は私と同世代で、東大を卒業後にお坊さんになられた方とのこと。家賃が安いところで自炊生活でかつ月4万5千円で不自由を感じていないという前書きを読んで衝動買いしてしまった。
内容は節約のやり方の本ではなく、欲を排除し、質素で心が豊かな生活を送るための仏教の教えの本であった。幼少でビックリマンシール集め、大学で「カイジ」と思われる単行本集めにはまったり、彼女に貢がせていたころの過去の自分を赤裸々に書いた上で、その生活は豊かに見えても欲というのは際限が無いので辛くて堪らなかった。一番幸せなのは欲しがるという心を捨てることであるというようなことが書いてあったと思う。
後今の若い者はものを買わないというが、もし欲しがらないで買わないのであればそれはいい、しかしもし欲しくても買えずに我慢してるのであればそれは不幸である。そもそも欲しいという感情自体を改善すべきという話をされていた。

それから、幸せというのは、欲が満たされた"瞬間"に感じるもので、欲が満たされた後はその状況に慣れてしまい、更なる欲が満たされない限り幸せと感じなくなる。そして何時かはその欲が満たされた状態が保てなくなり、その欲の分だけ苦しみを感じることになる。そしてその欲の度合いが大きければ大きいほどその苦しみは大きくなる。だから大きな欲を満たそうと初めから思わずにささやかな欲で満足するのが一番幸せだとのこと。確かに納得である。

しかし、出来るだけささやかな欲を突き詰めようとすると、目的のために努力することや、果ては息をしていることすらも欲のように思えてしまい、努力することに対してネガティブになったり、命に対する執着が無くなってしまう可能性があるのではないかと思った。無気力や自殺は現代社会にとってはあまり嬉しいことではない。仏教は今の情報化、グローバル社会に適していないのだろうか。世界的な宗教である仏教でそんなことはないと思うので、このあたりは時間のある時にもう少し考えてみたいと思う。

I read a book about honest poverty. It is also a book about the introduction of Buddhism. I agree some of the opinions. But there are several things I can't agree with. I'll consider them when I have a time.